運命は変えられる
占い師さんに一番多い相談事は
「自分が何に向いているのかを知りたい」
ということだそうです。
仮に、今の仕事を上手くやれているからといって
それが、自分に向いているという訳ではない。
なぜなら、向いていなくても、
上手にこなせる人はいるからです。
逆に、上手く出来ることには興味はなく、
敢えて、向いていないことをやっている人もいます。
そういう方は、無意識的に
出来ないことを自ら選んで体験している方です。
本当は、向いているかどうかが重要なのではなく、
人は、自分が選んだストーリーを体験したいだけ。
人生は、すべて自分の「思いの通り」になっています。
しかも、そのストーリー(運命)は、いつでも変えられます。
10年位前に、稲盛和夫さんの講演会に参加した時
「陰隲録」(いんしつろく)という中国の書物を紹介され「運命は存在する」ということ
そして「因果の法則」によって運命は変えられる。というお話しをされていました。
その書物は、袁 了凡(えんりょうぼん)さんという方が自身の半生を記したもので、
袁さんは、幼い頃、著名な易学者から、自分の運命をすべて教えられます。
「科挙」という中国の国家試験に合格し、中央の役人となり、若くして地方の長官になって出世すること
結婚はするが残念ながら子供はなく、53歳で天寿を全うすることなどを告げられます。
袁さんはそれを信じて、その通りの人生を歩んでいきます
若くして地方長官を任された袁さんは、
赴任先の禅寺である老師と出会い、教えを請います。
2人で座禅を組むのですが、
老師は、袁さんの組む座禅の素晴らしさに舌を巻きます
迷いが一点もないのです
関心した老師は、尋ねます。
「なんと、立派なことか、あなたはどこで修行をされたのですか?
お若いのにこれほど立派な座禅を組む人は見たことがない。余程の修行をされたに違いない」
袁さんは、実は思い当たることがありますと、
幼い頃に出会った易学者の話を始めます。
それを聞いた老師は
柔和な顔つきから一転、袁さんを厳しく叱りつけます。
「若くして聡明で悟りを開いた賢人かと思ったが、なんと大バカものなのか!
確かに、我々には運命というものが備わっている。しかし、その運命のままに生きるバカがいますか
運命は変えられるのですよ。
善いことを思い、善いことをすれば、運命はよき方向へと変わっていくし
悪いことを思い、悪いことをすれば、その運命は悪い結果へと変わっていく
そういう厳然たる『因果の法則』というものが、我々の人生にはみな備わっているのです
善き原因は、善き結果を生み
悪い原因は、悪い結果を生む
これが人生というものなのです」
この老師の教えに感銘を受けた袁さんは
奥さんにそのことを話し、奥さんと一緒にそれを実行します。
そして、その後…
袁さんは、自分の息子に、自分の人生を振り返ります。
「因果の法則を知り、それに努めてから
決して生まれないと言われていたお前が生まれ、
53歳で天寿を全うすると言われたが、70歳を過ぎてもこうして元気に暮らしている」
若き日の稲盛さんは、この本に出会い、
善きことを思い、善きことを実行するような人生を送っていこうと決めたそうです。
その後の稲盛さんの実績は、多くの人が知る通りです。
人生とは、自らの選択なのです。
何を、選択し どう生きるのか
それによって運命も変わっていきます。
稲盛さんも最初から、「因果の法則」を心から信じていたわけではなく
それを信じて、努力してきた結果、それがわかるようになってきた。
そう語っておられました。
すべてのものを愛し、すべてのものを慈しみ、
すべてのもの善かれと願う時、
そのような想念は、宇宙の波長と一致し、
人生は好転していくのだと。
「因果の法則」は単なる迷信ではなく、
科学的に考えてもつじつまが合うと理解されたそうです。
私たち1人1人の想念が、善きことで満たされるならば、
地球全体が、因果の法則によって
善きことしか起こらなくなります。
それが、これからの地球です。