芸術は爆発だ!


無事、大阪・関西万博が閉幕しました

万博のキャラクター、「ミャクミャク」が人気のようですね




1970年の大阪万博では、

その象徴は、岡本太郎の「太陽の塔」でした




太陽の塔は、万博閉幕後には解体される予定でしたが

1975年に永久保存が決まり、



2025年の5月には

国の重要文化財に指定されることが確定しました





太陽の塔には、4つの顔が存在するのをご存じでしょうか?


頂部の黄金の顔」

正面の「太陽の顔」



背面にも、顔があります

それが「黒い太陽」



そして、内部にも顔が存在します

それが「地底の太陽」です





頭部の「黄金の顔」は、「未来」

正面の「太陽の顔」は、「現在」



背面の「黒い太陽」は、「過去」

内部の「地底の太陽」は、「人間の精神性」

を表しています



岡本太郎はこのモニュメントを通して何を伝えたかったのでしょうか?




岡本太郎は、本質を見抜く力が誰よりも優れていました


骨董品には全く興味がなかったそうですが、

自分が全く興味のないものでも、


正確にその価値を言い当てたといいます


著名な収集家でさえ舌を巻くほど、すべて当たっていたといいます



なぜ、わかるのかと問われると

無邪気に素直に見れば、誰にだってわかることだと言いました





縄文土器の芸術的価値を見出して

それを世に広めたのも岡本太郎でした

(それまで日本美術史に縄文は存在しなかった)




始めて実物を目にしたとき、

全身が震え上がるほどの衝撃を受けたといいます

「これこそが人間生命の根源であり、

その神秘を凝縮したものだ」 と評しました






縄文土器は

芸術的価値だけではなく、それ以上の価値が存在する

それが、縄文土器の性能です



縄文土器は、現代の技術でも

当時と同じものを、作ることができません




それは、単なる工芸品ではなく

煮る、焼く、揚げる、炒める

一台で何でもできる万能の調理器具でもあったのです




土器なのに、

1000℃以上の高温で焼くことも可能で、

このような土器は現代でも存在しません




岡本太郎は、古代人のテクノロジーまで見抜いていた




それは、彼の素直な心からくるものでした

物事の本質をとらえ、本物を見抜く力があった




彼は、人間の本質

人間らしさを追求した人でもありました


画家にとどまらず、彫刻や作曲、講演もすれば本も書く…

本職は何ですか? と聞かれたとき



「そんなものはない」  

「バカバカしい」

「人間だ」 と答えたことは有名です




男である前に、女である前に

日本人である前に、地球人である前に


私たちは、人間なのです





私たちは全員、人間をやっていながら

己のことも、人間のことをよくわかっていない




「芸術は爆発だ」


彼の有名な言葉ですが

それは、表面的な美意識にとらわれない

内面から湧き上がる純粋な驚きや情熱のことで




岡本太郎は

ありのままに自分らしく生きること

それが、人間の本質だと捉えました




太陽の塔の内部にも、それが残されています


「生命の尊厳とエネルギー」を表現した

「生命の樹」です




まさに、圧巻です!



これこそ、岡本太郎が伝えたかったことだと思います

(事前予約が必要ですが、「太陽の塔の内部」は見学可能です)




絵を描いても、ほとんど売らなかったことでも有名な人で

「芸術は、金儲けの道具ではない」

商業的な目的での芸術を拒んだのです




芸術に対する純粋な愛と哲学を持ち続けました

「芸術は太陽と同じだ」

「太陽はあったかくしてやるから、金をよこせとは言わないだろう」




ただ、公共物は喜んで制作し

彼のパブリックアートは全国に70か所以上も設置されました



「歓び」 岡本太郎



1976年にウイスキーメーカーのノベルティーとして

岡本太郎がデザインした

太陽の塔のグラスが配布されたことがありました



ウイスキーを一本買うと、もらえたそうです




自分の値打ちが下がるから

やめたほうがいいという忠告に対して


彼はこう言いました


「たとえ芸術の価値などわからなくても    

ウイスキーを飲みながら、

このグラスはいいな といって喜んでくれる」



「それで十分じゃないか タダ、でもいいじゃないか」





人を驚かせたい 人を喜ばせたい



彼にとって芸術とは、

誰もが楽しみ喜んでくれるもの



喜びこそが、芸術なのです


そして、
喜びの多い社会にこそ、本当の平和が訪れるのです






岡本太郎記念館 https://taro-okamoto.or.jp/

11月3日までですが、

生命の樹 ―もうひとつの太陽の塔― 企画展も開催中です


興味のある方は、是非足を運んでみてください

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