「おーい でてこーい」
日本の三大SF作家と言えば、
星 新一、小松左京、筒井康隆の3人が挙げられます
小松左京さんの「日本沈没」や
筒井康隆さんのブラックユーモアやドタバタ劇も面白いのですが、
SFショート・ショートと言えば、星 新一さんです

作品のいくつかは、教科書にも採用されているので、
知っておられる方も多いと思います
私も中学校の教科書で初めて、星 新一さんを知り
そこから、SF小説や空想物にハマっていきました
短いながらも、
ユーモアあり、アイロニーありで、
計算されたオチが、これまた素晴らしく、
最後には深く考えさせられます
私が一番好きな作品は、

環境問題がテーマの作品ですが
時間軸とか、タイムトラベル的な要素も含みながら
人間の欲や、現代社会の闇をあぶりだし
最後に、伏線が回収されていきます
あらすじはこうです
(ショート・ショートのさらにショート・ショート)
台風が去ったある村で、
台風で流された社の場所に、
直径1メートルくらいの穴が見つかります

暗くて、とても深い穴でした
いつできたのか、昔からあったのか、さっぱりわかりません
村人が「おーい でてこーい」と叫んで、
石を投げ入れました
「 ・・・・ 」
反応はありません

「どうしたものだろう」と、処理に困っていたところ
利権屋が現れ、
新しい社の建設と引き換えにその「穴」を譲り受けます
官庁は、処分に困っていた
原子炉のカスを埋めることを許可します
原子力発電会社は争って契約し、
外務省や防衛庁も、機密書類の処分に利用します
利権屋の穴埋め会社は、どんどん事業を拡大し
動物実験の死体、引き取り手のない浮浪者の死体、
都会の汚物までも…
ヤバイものは、「穴」にどんどん捨てられていく

「穴」は、捨てたいものを、何でも引き受けた
「穴」は、都会のゴミをすべて洗い流してくれた
「穴」によって後始末の問題は無くなっていった
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ある日、建設中の高層ビルの上空から
「おーい でてこーい」と、声がした

作業員は、空を見上げたが、何もなかった
そして、小さな石ころが落ちてきた
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話は、ここで終わりです
その先を考えるとゾッとします

その後の展開が分かっているだけに
怖すぎます(恐)
「穴」によって
環境問題やゴミ問題は、無くなったように思えたが、
「穴」は未来とつながっていた
それを受け取るのは、未来の私たちだったのです
出したものは、必ず戻ってきます
なぜなら、すべては循環しているからです
それは、未来にもつながっていきます

この作品は、1958年(昭和33年)に発表されました
東京タワーが完成し、
誰もが、豊かさを謳歌し始めたこの頃から
星 新一さんは、環境問題に警鐘を鳴らしていたのです
実際、今の私たちは
物質的な豊かさと引き換えに
自然破壊や環境問題、公害や健康問題など…
多くの社会課題を抱えることになります
そして、未だに、何も解決されないまま、
時間だけが、過ぎています
なぜ、解決しないのかというと
すべては循環しているのに
悪循環のままだから

私たちにできることは
・破壊しない
・汚染しない
・略奪しない
この3つで、
環境破壊も、健康問題も、戦争もなくなります
そして、
地球環境も、人間の健康も、生態系も
すべて好循環に変わっていきます
これが本当の無害化です

素晴らしいテクノロジーによって
仮に、環境問題が解決したとしても、
私たちの精神性が、今と変わらないのなら
恐らく、今と同じように汚染し続けることでしょう
そうなれば、せっかくのテクノロジーも「穴」と同じです

テクノロジーだけに頼るのではなく、
私たち一人一人の心の豊かさが、本当は必要なのです
(おまけ)
毎年、4月22日は「アースデイ=地球の日」です
ゴールデンウイーク中も
各地で様々なイベントが開催されていると思いますが
改めて、そういったところに出かけてみると
新しい出会いや気づきがあるかもしれません
未だに、中東情勢も予断を許さない状況が続いていますが
戦争の原因は、地下資源の奪い合いにあります
実際には、クリーンで無尽蔵なフリーエネルギーの活用が望まれるところです
この戦争をきっかけに
そういったところに意識が向かっていくと
フリーエネルギーの活用が、
より一層、身近になってくることでしょう


